ブラックなのはすべて経営者のせいか?

仕事における「責任感」を考える

ビジネスパーソンにとって最も大事にしたいことのひとつは、周囲からの評価や評判です。評価や評判を逐語的に言い換えると「どれだけ周囲に一目置かれるか」ということです。

そして周囲に一目置かれるための要素を分解すると、「(実力的に)ほかの人のできないことができる」と「ほかの人がやろうと思ってもやらないことをやる」の2つだと思います。

前者は能力的なものでもあるので、簡単にできるものではありません。しかし後者はやるかやらないかで決まるもの、すなわち意志の問題です。そしてその意志の問題で決まることの典型が「責任感を持つ」ことです。

繰り返しますが、仕事に責任感を持つというのは能力の問題ではありません。覚悟や気持ちの問題です。いざというときに逃げない、人のせいにしない。最後まで粘るといった責任感から生まれるさまざまな行動は、周囲から一目置かれる行動そのものです。

さて、ここまでお読みいただいて、そもそも一目置かれることなど、どうでもよいと思う方もいるかもしれません。単なる自己満足にすぎないと思う方もいるかもしれません。

でも、それは大きな間違いです。周囲からの評価や評判は、キャリア上あらゆる場所で自分を助けてくれる大きな財産です。私自身も、仕事を移るとき、新しいプロジェクトに割り当てられるとき、仕事で取引先との関係で追い詰められているとき、そんなとき間違いなく助けられたのが、周囲からの評価や評判でした。この評価や評判を「キャリアのカレンシー(通貨)」と称した私の尊敬する先輩がいますが、まさに至言だと思います。

修羅場を修羅場と認識する

責任感を持つことのプラス面は、ほかにもあります。それは自らの成長における意味合いです。責任感を持つことは何より自分の成長につながります。子供は座学で学習していきますが、大人が座学で学習しても限界があります。セミナーや勉強会に行って、受け身モードで勉強しても成長機会は限られます。

それでは、大人は何で成長するのか。この連載で私は修羅場だと何度も強調してきましたが、修羅場を修羅場と認識するには責任感がとても大切です。修羅場という機会に恵まれても、もしそこで逃げ出したら成長にはなりません。機会を自らの問題ととらえ、「責任感を持って」臨むからこそ、自らにプレッシャーをかけることができ、そしてそのプレッシャーに打ちかつからこそ成長できます。プレッシャーが学びを加速しているわけです。

もっと言うと、座学での勉強におカネを使うよりも、おカネをもらって勉強することを助けるほうがよほど学びになります。これだっておカネをもらうことがプレッシャーになる自分の学びを加速しているわけです。どこかに逃げ道を作る人生は、セーフティネットがある分、成長機会がありません。ストレッチの仕様がありません。

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