中国人学生が聞き入る「日本企業研究」の中身

日本企業はいまだに謎だらけ

中国人学生が聞き入る「日本文化企業論」のひとコマ(写真はすべて五十木正氏提供)

「日本のドラマ『半沢直樹』の中で、日本の銀行は晴れの日に傘を差し出し、雨の日に傘を取り上げる、というセリフがあったのですが、これは一体どういう意味なのでしょうか?」

例え話から日本社会を知る

中国の大学の最高峰・北京大学大学院での授業のひとコマ。中国人の大学院生からこんな質問が飛び、教壇に立っていた日本人講師たちは度肝を抜かれたという。彼らが日本のドラマをよく見て、セリフまでしっかり覚えているだけでなく、日本の銀行のシステムや役割について、興味を持っていることを感じ取ったからだ。

銀行は企業が晴れの日(経営好調のとき)にはどんどん融資をするが、雨の日(経営不調のとき)になると融資を引き上げるという、日本ではよく知られる例え話だが、中国人(とくに若者)にはわかりにくい。

講師は「ドラマは誇張しているので、日本でも誤解する人がいるが、銀行=冷たい企業なのではなく、銀行が貸し出すおカネはもともと銀行を信頼してくれた預金者のもの。銀行がきちんと審査したうえで、利息も含めて返済されるかどうか吟味すべきことで、返済されたおカネの一部が預金者の利息として還元されていく」という銀行が持つ両面を説明。学生たちは深く納得し「ようやく意味がわかりました。弱者をいじめているわけではないのですね。日本社会で銀行が果たしている役割が理解できました」と話していたという。

この授業の名称は「日本企業文化論」。2014年2月に開始した大学院修士課程(日本語通訳翻訳コース)の1年生約30人を対象に行っている授業で、今年9月から4期目になる。中心となっている講師は中国ワークスアプリケーションズ社長の五十木(いかるぎ)正氏。同コースの特聘教授を務めている。

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