極右ルペン氏の仏大統領選出は止められるか 対抗馬は右寄りフィヨン氏、最後まで読めず

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来年のフランス大統領選は、既成政党の代表であるフィヨン元首相が、極右の国民戦線のルペン党首(写真)の挑戦を受ける構図となってきた。パリで11月16日撮影(ロイター/Charles Platiau)

フランス最大野党の共和党は11月27日、2017年春の大統領選挙の中道・右派陣営の統一候補として、フランソワ・フィヨン元首相を選出した。フィヨン氏は共和党の決選投票で67%の票を獲得し、アラン・ジュペ元首相に大勝した。

世論調査でフィヨン氏はジュペ氏やニコラ・サルコジ前大統領に続く3番手とみられていた。しかし、英国民投票でのEU(欧州連合)離脱派の勝利や、米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利が後押しして逆転した。

投票前の最後の討論会で、フィヨン氏が自身をジュペ氏やサルコジ氏より信頼できる候補者だとアピールしたことも効いたようだ。サルコジ氏は11月20日の予備選で敗退し、政界引退を表明した。

フランソワ・オランド現大統領の支持率は史上最低の8%だ。そのため17年5月の大統領選の決選投票における焦点は、フィヨン氏が極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首に勝てるかに移っている。

中道左派には有望な候補なし

ジュペ氏は穏健な候補者とされ、左翼から見ればルペン氏への対抗馬となりうる人物だった。しかし、フィヨン氏はジュペ氏よりはるかに右寄りで、左翼にとってはルペン氏と大差ない。このため中道左派寄りの第3の候補が望まれるが、適当な人物が見当たらない。

中道左派で考えうる候補の一人が、エマニュエル・マクロン元経済相だ。銀行出身の改革派ではあるが、現在の支持率は14%にすぎない。マニュエル・ヴァルス現首相も出馬の意思があるとされるが、支持率はオランド大統領をわずかに上回る9%にとどまっている。

これ以外に見当たるのは、左翼党のジャン=リュック・メランション共同党首(支持率13%)や、マクロン氏の前任の経済相で、見栄えはするが決断力を欠くアルノー・モントブール氏くらいだ。

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