「貯金ができない人」は支出の管理が甘すぎる 消費、投資、浪費をしっかり区別して考えよう
また、「おカネがないと不安」といった漠然とした不安から貯金や投資を始めてしまうと、いくらおカネが貯まり、おカネが増えても、不安は拭い去れません。
そうなると、つねにネガティブな気持ちでおカネに向き合うことになり、貯金や投資が楽しく感じられなくなります。目的やゴールは、どのようなものでもかまいません。たとえば、以前、家計相談に来られたB子さんは、「長男が大学に入学するまでに、教育資金として700万円貯めたい」と言っていました。
B子さんは当時44歳。夫は2歳年上の会社員で、長男は中学1年生。さらに小学5年生の次男もいました。B子さんもパートで働いていましたが、子ども2人の塾の費用などで月々の収入は使い切りになってしまうことが多く、ボーナスもあまり残りません。「このままではいけない」と一念発起したB子さんは、支出を見直し、まずは家計を黒字化。さらに貯金と並行して投資を始め、長男が大学に入学するまでに、トータルで700万円以上のおカネを貯めました。
120万円の貯蓄達成。家族5人で海外旅行へ
一方、Cさんは当時43歳の会社員。パートで働いている3歳年下の妻と、小学6年生の長女を筆頭に3人の子どもたちがいました。結婚当初からぜいたくをせず、コツコツおカネを貯めてきたCさん。貯金も800万円ほどありましたが、今後の教育費のことを考えると決して安心はできず、貯金を使うことに対し、罪悪感にも似た思いがありました。
しかし子どもが大きくなるにつれて、「今しか家族の思い出をつくる機会がない」「家族の楽しみのために貯金を使いたい」と考えるようになったのです。そこでCさんは、「長女が中学を卒業する前に、家族5人で海外旅行に行くため、4年間で120万円を貯めよう」と決意。「家族マネー会議」を開いて、子どもたちの要望を取り入れながら価値観の共通化を図り、家族全員で楽しみながら、少しずつ節約を開始。余ったおカネを、貯金と投資にまわすようになりました。
そのかいあって、当初の目標どおり、3年後には120万円以上の貯蓄を達成し、念願の海外旅行へ。家族のモチベーションが上がり、自信もついたため、さらに貯金と投資を続け、長女が大学に入学するまでに、なんと1000万円以上のおカネを貯めることができました。
B子さんは「子どもの将来の教育資金をつくること」、Cさんは「家族の楽しい思い出をつくること」を目的として貯金と投資を行い、おカネを貯めたわけですが、たとえば、「節約と貯金に追われるばかりでなく、生活のスパイスとして投資をしてみたい」「貯金と並行して投資を行うことで、経済や社会を学びたい」といった目的で、投資を始める人もいます。
欲しいものや目指したい金額をゴールにしてもかまいませんし、生き方や生活の変化を目的にしてもかまいません。貯金にしても投資にしても、夢や自分なりの楽しみを見つけ、並行して叶えていくことで、金銭的にも精神的にも大きな成果をもたらします。
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