「貯金ができない人」は支出の管理が甘すぎる 消費、投資、浪費をしっかり区別して考えよう

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特に第1ステージをおろそかにしていては、決してうまくいきません。私はこれまで数多くの家計を見てきましたが、その中でわかったのは「当たり前のことを当たり前にすれば、おカネは増えていく」ということです。収入があまり多くなくても、資産をしっかりつくっている人は、間違いなく、「月々の収入の中で、支出を収めることができる人」です。みなさん、収入の範囲内で暮らし、その差額をコツコツ貯めているのです。

「消・浪・投」どれにあたるのかを把握する

だからといって、ただ何に対しても出し惜しみをすればいいというわけではありません。私はいつも、相談に来られたみなさんに、支出を、

消費:生活に必要なものに使うおカネ。生産性はさほど伴わない。食費、住居費、水道光熱費、教育費、被服費、交通費など
浪費:生活に必要がなく、無意味で生産性もないものに使うおカネ。嗜好品、程度を超えた買い物やギャンブル、固定化された高い金利など
投資:生活に不可欠ではないものの、将来の自分にとって有効な、生産性の高いものに使うおカネ。貯金、金融商品への投資、自分への投資など

の3つに分け、おカネを使うたびに「その支出がどれにあたるのか」を考えていただいたり、家計簿に記録し「見える化」していただいたりしています。そのうえで、収入を100とした場合、「消費」を 70%、「浪費」を5%、「投資」を25%の枠内に収めていただき、「投資」については、さらに、

●貯金:15%
●金融商品への投資や自分への投資:10%

 

に分けてもらっています。

なお「自分への投資」というのは、これからの自分にプラスになる本を読むとか、資格を取得するとか、将来役に立ちそうな知識や経験を手に入れるためにおカネを使うことです。

もちろん、同じ項目でも、「消・浪・投」の区分けが変わることはあります。たとえば携帯電話代は、生活や仕事に使っているうちは「消費」ですが、娯楽のための動画サイト閲覧などによりパケット代がかさめば「浪費」になります。料理ができないときの外食は「消費」、ぜいたくすぎる外食は「浪費」になることもありますが、久しぶりに家族全員がそろった家族団らんの外食は、「投資」になるでしょう。

このように、「何に使ったか」をきちんと把握することで、おカネに対する意識は少しずつ変わっていきます。

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