「貯金ができない人」は支出の管理が甘すぎる 消費、投資、浪費をしっかり区別して考えよう

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そして、強い家計をつくるため、最も減らしていただきたいのは、まず「浪費」の部分。おカネをきちんと貯められる人は、自分の軸(価値観)がしっかりあって、「投資」と「消費」および「浪費」との区別がはっきりしている傾向があります。しかも「浪費」をできるかぎりおさえ、「消費」を見直してムダを削り、「投資」にはきちんとおカネを使っています。締めるべきところは締めつつも、使うべきところには使うことで、その人の生活に変化が生まれ、人生は豊かになっていきます。

逆に、あまり成果が出ないのは、「投資」の基準が甘い人。美容院代や飲み代など、本来「消費」や「浪費」にあたるものを、「美しくなるための投資」「人脈をつくるための投資」と考えてしまうのです。

自分たちの銀婚式までにおカネを貯めたい

「投資」に該当するのは、あくまでも「必ずしも今必要ではないが、あとで役に立つもの」、そして「自分が困ったときなどに、自分を助けてくれるような意味を持ったもの」だけです。そのあたりを冷静に判断しつつ、支出を管理することで、家計は強くなります。たとえば、以前、家計相談に来られた43歳の専業主婦・A子さんは、「おカネの管理ができず、おカネが貯められない」と悩んでいました。

1歳年上の会社員の夫は、A子さんがしっかり貯金をしているものと思い込んでいましたが、実際には貯金額は220万円ほど。しかも夫は突然、「両親の金婚式に150万円プレゼントしたい」と言い出し、貯金額は100万円を切ってしまいました。

危機感を覚えたA子さんは、「4年後に控えた自分の両親の金婚式と、6年後の自分たちの銀婚式を見据えて、しっかりおカネを貯めたい」と決意。時間をかけて「消・浪・投」の意味を理解し、外食代や洋服代など、「浪費」と「消費」を徹底的に見直し、家計管理を習慣づけていきました。

さらに、最初は「投資など、自分にはできない」と思っていたA子さんでしたが、家計に余裕が生まれるとともに関心を持つようになり、貯金と並行して、少額での積立投資をスタート。やがて、月に10万円ずつ貯金できるようになり、投資にも慣れ、自分たちの銀婚式までに、なんと800万円ものおカネを貯めることができました。

支出の意味をきちんと考えるようになると、使うときと使わないときのメリハリがつき、おカネの管理に自信が持て、貯金も投資もうまくできるようになります。

また、「何のためにおカネを貯めるのか」をはっきりさせておいたほうがいいでしょう。私が家計再生の相談に乗る際、いつも心掛けているのは、みなさんに「おカネを貯める目的やゴールをはっきりさせてもらう」ことです。

目的やゴールがはっきりしているほうがモチベーションも上がるし、「今月は少し余裕があるから、無駄遣いせずに貯金や投資にまわそう」といった気持ちにもなるため、成果に大きな違いが出ます。

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