「仕事中に寝る人」をただ責めてはいけない きっと本人がいちばん途方に暮れている

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仕事中に寝てしまうのは、当たり前のことではありませんから、きっと彼自身も認めたくない、困っていることなのではないでしょうか。病気であることも十分に考えられるし、何かのお薬の副作用、大きなストレスが原因である可能性もあります。

どれほど困っているのかということも共有するために

まずは、いつどんな風に居眠りをしていたか、どれだけの人が見ていたか、などの事実を伝えて、あなたの心配する気持ちを伝えてはいかがでしょうか。本来の仕事の力とは別のことで、評価を下げてしまうのは本当にもったいないことです。なぜあなたがしかってきたのかも、きちんとわかるように説明してみては?彼の未来に向けて、一緒にどうしていくか、話し合いたいと意向を伝えたら、わかってもらえるような気がしますよ。

きっと、彼はあなたが女性だから言われたくない、とは思っていないように感じるのです。「寝るな」「寝てない」という会話だけでは、彼自身がどれくらいこれについて困っているかを共有できないし、解決策も探れない。もしあなたに、自分のことをわかってもらいたい、と思っているとしたら、あなたの一方的な態度に、がっかりしているかもしれません。

実は、私にも年上の男性メンバーで、かなりの頻度で仕事中に寝てしまう人がいました。仕事の話をしているときに、うとうとするので、周囲の若手は、「やる気がない」と思ってしまっていたようでした。でも、寝ているところを声をかけて起こし、会議室でふたりになって、「心配している」と伝えたら、体調のことを打ち明けてくれたことがあります。それからは、ご本人の了承を得て、若手から文句を言われたときに正しく諭すことができるようになりましたし、顧客対応の時間帯についても相談して、勤務に配慮できるようになりました。

何が正解かはわからない。ただ、やっぱり、「相手のことを理解したい」「相手の未来を支援したい」という気持ちをしっかり共有することが、すべての「しかる」の前提になるような気がします。あなたなりのやり方で、ぜひまずはそこから始めてみてはどうでしょう。彼自身のことが、もっとよく理解でき、他の業務へのアドバイスももっと上手にできるようになるかもしれませんよ。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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