トランプが米国映画の「ネタ」にされるワケ

TVやプロレス「WWE」に、どう関わったか

米プロレス団体WWEに登場し、オーナーのビンス・マクマホン氏の頭を剃り上げるドナルド・トランプ氏(写真:アフロ)

アメリカ合衆国の歴史において、ドナルド・トランプほど適性が疑問視された大統領候補はいなかった。そのハンディを跳ね返したのは、ひとえに彼の知名度の高さにある。でも問題は、その知名度の質が大統領職に全くそぐわないことなのだ。

ドナルド・トランプはニューヨークを拠点とする不動産会社経営者としては3代目にあたり、ビジネス・スクールの名門であるペンシルベニア大ウォートン・スクールを卒業している。本来こうした人種は目立った行動を控えるものだが、1980年代にトランプは自らの名前を冠したド派手な施設を次々と建設していった。

全米のお茶の間に知られたきっかけ

SFコメディシリーズ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の悪役ビフ・タネンは、当時のトランプがモデルとされている。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』(1989年)でビフが根城にするカジノ兼ホテルの外見は、トランプ・プラザそっくりだ。

この作品を製作したスティーブン・スピルバーグは、今回の大統領選で反トランプの急先鋒だった男だが、1986年のプロデュース作『グレムリン2 新・種・誕・生』でもトランプに言及している。この作品に登場する不動産王〈ダニエル・クランプ〉はチャイナ・タウンの地上げを目論む悪党だが、その野望をあざ笑うかのように高層ビル〈クランプ・センター〉はグレムリンたちの戦場と化してしまう。

一方、『グレムリン』第1作の脚本家だったクリス・コロンバスが監督したファミリー・コメディ『ホーム・アローン2』(1992年)では、家族とはぐれた主人公がひとりプラザホテルに宿泊するシーンでトランプ本人が登場する。彼は当時この超高級ホテルのオーナーだったのだ。『セレブリティ』(1998年)や『ズーランダー』(2001年)、『トゥー・ウィークス・ノーティス』(2002年)といった映画にもトランプは本人役で登場している。

彼がこれだけ映画でネタにされたのは、今どき珍しいくらい富を誇示するベタな大富豪だからに違いない。いくらトランプの14倍の資産を持っていようと、予備校生のようにしか見えないFacebookの創業者、マーク・ザッカーバーグではインパクトが弱いのだ。

次ページトランプはどうやって、お茶の間の人気者になったか
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • iPhoneの裏技
  • グローバルアイ
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 賃金・生涯給料ランキング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT