富裕層が頼る「タワマン節税」に潜むリスク 価格が「変わらない」「上がる」前提でいいのか

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依然、「タワーマンション節税」は有効な節税策であるのでしょうが、私はこのスキームについて、根本的なリスクを多くの人が見逃しているような気がしてなりません。

財産の価値が上がることを前提にした節税策に注意

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この「タワーマンション節税」は、マンションの市場価格が「変わらない」もしくは「上がること」ことが前提です。マンションの価値が下落すれば、マンションを売っても、損をすることがあります。「相続税は下がっても、財産はそれ以上に減ってしまう」ことになりかねません。近年は首都圏を中心とした新築マンション価格が高騰していますが、これを「バブル」だと指摘する声は少なくありません。「バブル」だったとしたら、いずれはじけ物件価格は下落に転じかねません。

相続税に関連して、相続時精算課税制度という、生前贈与を促す制度があります。これも、贈与財産の評価額が、生前贈与をしたときよりも「上がっていく」ことで初めて節税になるため、むやみに利用することは、リスクがあります。

「タワマン節税」のように世の中に出回る、さまざまな節税のスキームには、実は財産の市場価格や評価額が「変わらない」もしくは「上がること」を前提にしたものが少なくありません。しかし、その前提が本当に正しいのか、しっかり吟味することが大切です。これは富裕層だけに必要な知識・視点でもありません。

清田 幸弘 ランドマーク税理士法人代表税理士

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せいた ゆきひろ / Yukihiro Seita

1962年 神奈川県横浜市生まれ。明治大学卒業。横浜農協(旧横浜北農協)に9年間勤務、金融・経営相談業務を行う。資産税専門の会計事務所勤務の後、1997年、清田幸弘税理士事務所設立。その後、ランドマーク税理士法人に組織変更し、現在13の本支店で精力的に活動中。立教大学大学院客員教授。急増する相談案件に対応するべく、相続の相談窓口「丸の内相続プラザ」を開設。また、相続実務のプロフェッショナルを育成するため「丸の内相続大学校」を開校し、業界全体の底上げと後進の育成にも力を注いでいる。

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