確率で考える「がん保険」への正しい入り方

「がん保険を利用する価値」とは何か

保険を利用するかは、冷静に判断しましょう(写真 :Good morning / PIXTA)

「私のところは『がん家系』なので、がん保険には入っておいたほうがいいのかなと考えています」「そうですか。私の親族も、2人に1人くらい、がんで亡くなっています。ただ、それ以前に『死亡家系』というべき家系で、大正時代以前に生まれた親族は誰も生きていません」

保険相談にいらした人たちと、そんな会話をすることがあります。家族や親族でがんにかかった人が多いことを理由に、がん保険への加入を検討中の人も、「そう言われると、うちも死亡家系ですよ」と笑われます。

「がん保険を利用する価値」の判断は冷静に

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このように、ひと呼吸入れることにしているのは、多くの人たちに少しゆっくり「がん保険を利用する価値」について、考えてみてほしいからです。個人的な感想に過ぎませんが、広告等によって喚起された不安から「がんに備えるにはがん保険」と短絡的に考えている人が多く、冷静な評価が行われていない気がするのです。

言うまでもなく、死は誰にでも100%の確率で訪れます。しかし、死亡保険への加入を検討する人は、主に自立していない子供がいる世帯主などです。一生涯の死亡保障を求める人も限られています。

老後の死亡は、万が一起こることではないですし、家計へ与えるインパクトもさほど大きくないと見られているからでしょう。一生涯の死亡保障を持とうとする場合、どうしても保険料負担が大きくなってしまうという事情もあります。

そこで多くの人が、保険の利用を世帯主の死亡の影響が大きな時期に限定することで、利用しやすい保険料でそれなりの保障を持つことにしているわけです。正しい判断だと思います。

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。