「賭け金の半分以上を胴元が取っていくギャンブルは世界でも珍しく、はっきり言って『とんでもない』レヴェルの賭けと言える」
『ツキの法則』(谷岡一郎・PHP新書)という本の、宝くじの「期待値」と「控除率」のページにある一文です。引用したのは、生命保険の見え方が変わってくる記述だと感じるからです。
ギャンブルの控除率を知って以来…
期待値と控除率という言葉は一般の方にはなじみが薄いかと思いますが、難しい話ではありません。仮に胴元の取り分が賭け金の10%であれば、「賭け金総額-控除率(10%)=期待値(90%)」となります。つまり、控除率の多寡が、賭けにおカネを投じる人たちの取り分に直接影響する仕組みです。
同書には「日本で許されている公営競争(競馬、競輪、競艇など)もその期待値はひどいものである。国民には賭け事を禁止しておきながら、自ら胴元になって独占し25%もの控除を取っていく神経はヤクザまがいと言える」という記述もあります。
谷岡一郎氏の感想ですから、人それぞれの受けとめ方があるでしょう。しかし、筆者はギャンブルの控除率を知って以来、「生命保険における保険会社の取り分は正当化できるだろうか?」という問いかけから逃げられなくなりました。
大半の保険商品で、保険会社の取り分は開示されていません。ただ、ライフネット生命は例外的な存在です。同社のプレスリリースに掲載されていた主力商品の保険料の内訳を公表した資料をもとに、保険会社の取り分を計算することができます。
向こう10年間、万が一の場合に1000万円が支払われる保険の例では、保険会社の取り分である付加保険料率は17~38%に及びます。
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