配偶者控除「103万円の壁」が崩れる巨大衝撃 「働けるが働かない女性」を減税で動かせるか

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配偶者控除の見直しで、”働けるが働かない”主婦たちは動くのか(写真:Graphs / PIXTA)

「配偶者控除」見直しの議論が大詰めを迎えている。

自由民主党税制調査会では今、パート主婦が年間の収入「103万円」を超えても働きやすくなるよう、配偶者控除を適用される条件について、現状の103万円から引き上げる議論が続いている。人口減による人手不足感が高まる中、また、共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回る中、税のみならず、社会全体が変化を求められていることを反映した動きだ。

配偶者控除とは、配偶者(たとえば妻)の収入が103万円以下の場合、世帯主(たとえば夫)の給与所得から38万円を引き、世帯主の納税額を少なくするという仕組みである。そもそもが、夫が妻を養っていることに配慮するとともに、妻の内助の功に報いるためにできたもの。ただ、妻がパートで働く場合、世帯全体の手取り額が減るのを防ごうと、自らの収入を103万円以下に抑えようとしてしまう。これが税における「103万円の壁」とされ、女性の社会進出を阻む原因とされてきた。

なぜ103万円以下に抑えようとするか

改めて配偶者控除の抱える問題点を確認すると、①就労の壁、②公平性、③高所得者優遇が挙げられる。ここでは、労働力不足で最大の問題とされている、配偶者自身が感じる就労の壁について説明したい。

パート主婦にとって働く意欲の障害となっている理由は、「世帯主の手取り減少」、「配偶者への課税」、「配偶者手当の停止」の3つだ。配偶者の収入が103万円を超えると、世帯主の手取り額が減少するばかりでなく、配偶者本人にも課税が始まることになる。後述するが、現在およそ7割の企業で導入されている配偶者手当でも、配偶者の収入が103万円を超えると、支給要件を欠いてしまうことが多いのである。

具体的に103万円を超えるとどうなるか。一例を挙げてみたい。

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