中国経済は、もはや年5%も成長していない シャドーバンキング問題に揺れる中国の実態は?

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1~3月期のGDP「年率で5%割れ」の根拠

ここで李克強氏が信用する電力消費量と貨物輸送量に注目してみましょう。中国のGDPが9.5%の伸びを示していた2011年1~3月期や4~6月期の電力消費量は10~15%、貨物輸送量は15~20%の伸びでした。これに対して、2013年1~3月期の電力消費量の伸びは4.3%、貨物輸送量はマイナス0.8%と大きく落ち込んでいます。それにもかかわらず、中国政府は同期間のGDPの成長率を7.7%と発表しています。

電力消費量が3分の1以下に落ち込んでいるだけでなく、貨物輸送量はマイナスに転落しているのに、GDPの伸び率の低下がこの程度で済むはずはありません。実際には、おそらく5%を割り込むところまで落ち込んでいたはずです。

 中国では四半期ごとのGDPをはじめ、各種の統計を発表していますが、それらのデータへの信頼はまったく高くはありません。毎月公表される消費者物価指数も、景気の実感とは異なるとの批判を浴びています。失業率に至っては、GDPや消費者物価指数のデータ以上に評判が悪いありさまです。

しかし、中国政府がGDPや失業率の統計を粉飾せずに正直に公表していたとしたら、おそらくは民衆による暴動を抑え込むことができなくなり、共産党一党独裁体制を打倒する革命に発展していたのではないでしょうか。だから、中国政府は決して本当のことは公表できないのです。

2008年のリーマンショック後、中国は「4兆元投資」と呼ばれる巨大な財政出動と併せて空前の金融緩和を行い、世界を驚かせました。その効果は劇的で、2009年には経済は急回復します。ですが、その副作用として、インフラから不動産、製造業を巻き込む爆発的な投資ブームが巻き起こってしまいました。

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