GEの母、スーパーすぎる育児分担 自称イクメンよ、ここまでやれるか?

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浅野さん夫婦は、知識の詰め込みではなく、「自分で考える力」が重要との教育観を共有する。そのため、保育園や学校の帰り道さえも、つねに「教育の現場」になる。

「ゆっくり会話しながら帰ってくることで、子どもは『なぜ、太陽は赤いのか?』なんてことに疑問を持ちます。それに答えるために、われわれは、その理由について調べてわかりやすく説明したり、あるいは、太陽の本を買い与えたりすることで、自分の頭で考え、問題を解決するクセを身に付けさせるようにしています。忙しくて、つい私が子どもの疑問に適当に答えたりすると、旦那にそれは駄目だろと怒られちゃうんですよ」

子どもと接する時間に制限があるワーキングマザーの中には、子どもを起こして、食べさせ、学校に行かせて、お迎えに行って、また食べさせ、お風呂にいれて、寝かせて、の繰り返しで精いっぱい、「子どもとの会話がない」と嘆く人も多い。

だが、浅野さん夫婦のように、育児を完全分担すれば、子どもと深く接する機会や会話が増えるのだと、感じ入ってしまう。

社内を歩き回る理由

ご主人の育児協力のおかげで、浅野さんはキャリアもあきらめずに、磨くことができる。

「お互いに年間の仕事の目標を共有し、それを月間、そして1日単位に落とし込んで、『今日は何を達成すべきか』スケジュールを書いて、今日やると決めたことは、家に持ち帰ってでも必ずやるようにしています」

5時半退社が基本のご主人も、目標達成のために、家で仕事をすることが多く、子どもを寝かしつけた後、深夜3時ごろまで働くのが常だ。したがって、夫婦の睡眠時間はそろって「4~5時間」と過酷。だが、まだお互い30代の若さゆえ、「大丈夫」だと胸を張る。

浅野さんは、医療機器のマーケティング兼営業として数字的な目標も負っている。そのため、医療機関の医師との緊密なコミュニケーションが欠かせない。

通常のプロモーションよりも、著名な医師がGEの医療機器を上手に使っている実例を示したほうが営業するうえで説得力があるから、セミナーを企画し、有名な先生に講師をお願いすることも多い。そのために、相手との打ち合わせも頻繁。セミナーは海外で行われることも多いから、海外出張も年2~3回はある。

このように、長期間家を空けることも、帰りが遅いことも多いが、そのときは、ご主人が全面的に子どもの面倒を見てくれるから、安心して仕事に集中できるのだと言う。

次ページムリ、無茶を通すために……
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