運よく、第三子は計画どおり、昨年8月に生まれた。だが、子どもの保育園入園の2013年4月を待っていたのでは、その新製品のリリース準備に間に合わない。
そこで、ピンチを救ってくれたのが、またしても浅野さんのご主人だ。
「私とバトンタッチして、今年1月から4月までの3カ月間、育休を取ってくれたのです」
男性社員の育休取得者は、前例があった。だが、3カ月もの長期にわたる取得者は、ご主人が初めてだったそうだ。
「旦那は自分から、『僕も育休を取る大変さを味わってみたい』と言ってくれました。もしかしたら、男性も育児にジョインできるということを社内に見せたかったのかもしれません」
ご主人の育休中、浅野さんは帰宅すれば「ご飯、できてるよ」と言って迎えてもらえる幸福を味わった。
そんなサポートのおかげもあり、「その新製品は、30以上のメディアに取り上げていただいたうえ、お客さんからの評価も上々で、ものすごくやりがいを感じられる仕事だった」と語る。
そして、今はまた、育休から復帰したご主人と二人三脚で仕事と育児に全力投球する毎日を送る。
「旦那は今も、ママチャリで長男の学童保育と、次男と長女の保育園のお迎えをやってくれています。子どもが3人もいるし、旦那は毎日パソコン装備の大荷物だから、長男は自転車に乗れなくて自転車の横を走っているので、周囲の人が『大丈夫?』という目で見るんですけどね(笑)」
浅野さんも、どんなに忙しくても毎朝5時半には起床。ご飯と夜ご飯を同時に作りながら、起き出してきた子どもたちと、出社ギリギリまで一緒に遊ぶのだと言う。
浅野家は、「仕事も育児も100%全力」が信条なようだ。
「育児をしながら仕事をさせてもらっているのだから、会社への恩義も感じていますし、子どもたちに対しても、目標以上のことを達成する姿を見せたい思いもあります」
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