不必要なモノをお客さんに買わせる「魔法」 「おみやげ」にすれば商品はまだまだ売れる!

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ニーズがないものを売るためには、別の視点からニーズを作り出せばよいのです(写真:よよ / PIXTA)
「肩書はいらない」と宣言し、芸人の枠から飛び出したお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣氏。絵本の制作、町づくり、上場会社の顧問……これまでの常識を覆し、活動領域に枠を作らず新しい仕事を次々と創り出していく彼の目に、未来はどのように映っているのか?
2016年8月に発売された書籍『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』の中から、西野氏の独特かつ斬新な哲学の一部を、紹介していく。今回が第3回。

 自分の絵本を売るために

僕は絵本を作っているので、ここでは僕が自分の絵本を売るために、どういう動きをしているかをお話ししようと思う。

もともと「作品を届けるのは僕の仕事ではない」と思っていて、「俺は作家だあ!アチョー!」とほえながら、100万部超えの大ベストセラーになる予定で描いた絵本は、1作目の『Dr.インクの星空キネマ』、2作目の『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』とも、売り上げは2万~3万部にとどまった。

「絵本で2万~3万部も売れたらスゴイよぉ~」てなことを言われたりもするんだけれど、僕としては100万部超えを予定していたので、その落ち込みようはすさまじかった。

そんなこんなで、3作目『オルゴールワールド』。

さすがに3作目ともなると、「良い作品を作ったら売れる」という幻想は完全に消え去り、「作ったからには届けるところまで責任をとらなきゃダメだ」と、ついに観念し、そこから親の自覚が芽生え始めた。

さて、どうやって作品を売るか?

まず、皆や自分が「何を買い、何を買わないか」、そこから考えてみることにした。

僕も皆も、米や水やトイレットペーパーやシャンプーは迷わず買うが、小説やDVDやライブチケットを買うのは渋ってしまう。

「買う・買わない」の違いは明確で、必要なモノは買うし、必要じゃないモノは買わないのだ。作品は生きていくうえで必要じゃないから売れないわけだ。

ならば、少し魔法をかけてあげて、作品を「必要なモノ」にしてあげればいい。

次ページみんな、「作品」は買わないけれど…
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