バーナンキ議長に、勝手に期待した市場関係者 株価の水準は、経済実体や情報とは無関係

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19日(米国時間)のFOMC(連邦公開市場委員会)声明文や、FRBバーナンキ議長の記者会見は、ともに極々普通の内容だった。それに対し、NYダウは200ドル以上の下げとなり、ドルは大幅上昇した。20日の日経平均株価も230円安となった。普通のニュースに対して、大きく反応した「市場価格」。これをどう解釈するべきか。出口戦略といった内容に立ち入らずに、これを考えてみよう。つまり、驚きのないニュースに対して、投資家が大きく反応した、というのはどういうことか。その事実だけについて、考えてみよう。

「普通に」考えていなかった、投資家たち

普通は、驚きがなければ、株価も為替も反応しないはずだ。理論ではそう考える。とりわけ、現代ファイナンスにおける効率的市場仮説は、利用可能な情報はすべて証券価格に反映されていると考えるから、このバーナンキ議長の記者会見の内容が、現在の経済状況からいって、極めて普通であった場合には、株価も為替も反応しないはず、となる。

一方、株価も為替も現実には反応したことを、市場関係者は、「出口戦略が近づいた、金融緩和が縮小する見通しが強まったことにより、ドル高、株安となった」と説明している。

この理論的な説明と、現実の説明とのギャップはどこから来ているのだろうか。

一つの可能性は、投資家が、「普通に」考えていなかったということだ。つまり、投資家達は、現実の経済状況を客観的に、「普通に」考えずに、自分達の都合で、金融市場の感覚で考えていたということだ。これは、いつものことで、いまさら言うまでもないことだが、金融市場における論理は、実体経済の論理と大きく異なることが多い。とりわけ、中央銀行の政策に関する見通しに関しては、このズレが大きいことが多い。そして、このズレの要素は二つある。

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