「アベノリスク」、「アホノミクス」など、アベノミクスを揶揄する声が、いろいろなところから聞こえてきます。5月23日、日経平均株価は1万5942円の高値を付けた後、6月13日には1万2415円まで下落。ドル/円も1ドル=103円台まで円安ドル高が進んだものの、ドル安に転じ、一時は1ドル=93円台に。果たしてアベノミクス効果は消えたのでしょうか。草食投資隊の面々が、現段階でのアベノミクスの総点検を行います。
上げても下げても、あおるマスコミって…
中野 随分、下げましたね。
藤野 メディアでは「アベノミクスは終わった」などという論調が目立つけど、おかしな話ですよね。上がる時にはさんざんあおっておきながら、下げれば下げたでまたあおる。上げのあおりは嫌なものだけれど、下げのあおりはもっと嫌だね。
中野 まあ、確かにまだ具体的な成果は見えてこないけど、何か大きな弊害が出てきたというわけでもない。
渋澤 国内長期金利がちょっと上がってきたこと、米国の金融緩和の「出口戦略」を織り込むこと、そして、「第三の矢」の成長戦略の中身がなさそう、という動揺ですね。
中野 でも、インフレ率の目標値が2%なんだから、長期金利だってある程度、上昇するのは当然ですよ。米国やドイツも長期金利が上昇している。日本だけが突出して上昇しているわけではありません。ただ、一時は0.3%台まで低下したから、昨今の上昇ピッチが目立つだけ。
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