個人投資家は、自分で損をする状況をつくっている
中野 ウチ(セゾン投信)は07年から買い続けてきた人の解約が目立ちましたね。当然、利は乗っているので、本人にとってその時は良かったのかも知れませんが、結局のところは預金に戻すだけ。ところが今はゼロ金利だから、「やっぱりこれではふえないね」ということで、もう一度投資信託を買ったところが高値だったということの繰り返しでは、決して果実は育ちません。やはり長期で保有してもらいたいところですね。
渋澤 ウチ(コモンズ投信)ももちろん、解約はあったけれども、一方で買いもあったから、差し引きで見ると大きな資金流出にはならなかった。
藤野 某外資系投信会社の日本株ファンドは、相当の資金流出があったみたいですね。
中野 まあ、あれは某大手証券会社を通じて大量の資金を集めたわけですから、短期での解約がどっと出るのは想定通りです。だから、某大手証券会社から入ってきた資金は、全額キャッシュで運用すれば良かったんです(笑)。
渋澤 あははは。それはそうかも。もっとも株価が大きく上げた局面でキャッシュをしこたま持っている状態では、基準価額の上昇も期待できないけどね。
中野 これ、投資信託を購入する際には本当に大事なことなんですが、多くの個人投資家が、自分で損をする状況を作ってしまっていることを、しっかり認識するべきだと思うんです。株価が上がると買う。そして、株価が下落すると我慢できなくなって解約してしまう。この繰り返しですよね。これでは資産を築くことは出来ません。やはり長期で持ち続けるのが大事。それに、一気に資金が入って、一気に出ていくということを繰り返していたら、どれだけ優れた運用を行っていたファンドも、あっという間にボロボロになってしまいます。
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