世界の株式市場は変調をきたしている。第一の表出が、米国で実体経済にプラスの材料が現れると、株価が大きく下落することだ。つまり、実体経済の見通しと株価が逆方向に動くということである。
金融政策の動向だけで決まる株式市場
これは、本来であればおかしいが、バブルであれば普通であるし、昨今ではバブルでなくとも、日常的にこれがみられるようになっている。だから、変調というのは、もう10年以上も続いている日常なのであるが、ここに来て、それが激しくなった。それは、相場が大きく動くことを示唆している可能性があるから、やはり注目する必要があるだろう。
逆行する理由はただ一つで、米国FRBの金融政策の方向と実体経済の方向とが逆であり、株式市場は金融政策の動向だけで決まっているからである。
これはもはや誰でも知っていることで、FRBが量的緩和をやめ、そして金融引き締め、ゼロ金利から脱却し、金利を上げていくプロセスに入ること、いわゆる「出口戦略」の動向の見通しに、投資家は一喜一憂しているということだ。
金融緩和が終わるのであれば、カネがあふれることによって支えられていた株式(と投資家みんなが信じているから、実際にも金融緩和で株が上がる)は、暴落すると思ってみんなが売るから、やはり暴落する。バーナンキの発言は、単なる合図のようなもので、量的緩和の実際の効果は関係ない。バブルからどのタイミングで逃げるか、と誰もが間合いを計っているときに鳴らされた号砲のようなものだからだ。
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