金市場の暴落が意味するもの 「本命」の米国に、再び恋愛意欲を高める投資家たち

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今後、中国の金融市場の混乱は材料になるだろうか、本命への恋愛意欲は衰えようがない。今後は、量的緩和終了、金融緩和終了による、資金の引き上げストーリーの乱高下の中、米国企業の収益の大幅な改善を材料に、本命へ投資資金が集中していく可能性が高い。

となると、一直線に米国株式上昇になるのか。今度は、米国企業の国内での収益の改善、マクロ経済の改善、さらには米国企業の世界での収益も改善し、大幅に伸びると言うことを理由に挙がるのであれば、ファンダメンタルズを伴ったバブルだから、これは長く続くのではないか。そういう予感の始まりである。

ただし、金融政策との綱引きが続く中で、異変が起きないとも限らない。今後は、金がどこまで下がるかではなく、金の下落と米国株式市場の上昇、この逆相関が続くようなら、米国株式市場のバブルの膨張となる。逆に、ともに下落するような展開となれば、危険信号だろう。

ハジパイである金市場に注目だ。

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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