ガガ様も惚れた、パークハイアットの真摯 変わらないのに新しい? 記者が見た独特の世界観

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店のマネジャーが「どうぞ歌って下さい」と言ったので、彼女はバーで歌いました。お客様の1人がそれを携帯電話で動画に撮って、ユーチューブに投稿しました。3週間後、9万回も再生されていました。たいへんありがたかったですね。まだユーチューブに残っているはずですよ。

われわれが幸せな理由

――96年に総支配人が日本にいらっしゃった当時、ウエスティン、フォーシーズンズと並び、「新御三家」と言われていましたね。当時、3者はよきライバルでしたか?

当時は開業2年目でした。ウエスティンも同時期のはずですね。(先日閉館した)ホテル西洋銀座もそうしたブティックホテルと呼ばれたホテル群のひとつでした。フォーシーズンズ、ウエスティン、パークハイアットはたしかに競争していましたね。

ただ、あまり比べたくはないですが、開業の94年の時点で、すでにビルやホテルのモダンなデザインにおいて、われわれは違うレベルにいると思っていましたが。

――フォーシーズンズ東京は藤田観光の経営判断でホテル椿山荘東京という国産ホテルに衣替えしました。外資の国際的ホテルから、純国営のホテルに変わるケースはあまりないような気もします。一般論でよいのですが、こうした経営判断をどう評価されますか?

ちょっとコメントできませんが、似たようなシチュエーションは海外にもあります。パリで働いていた際に感じたことは、そうした転換はビジネス上、普通に起こりうることだということです。そうした経営判断には「グッドラック」と言いたいですし、特段のコメントはありません。

パークハイアット東京について言えば、関係者間の連携は非常にうまくいっていると思います。ホテル会社、地権者、デザイナーが目標を共有することがホテル計画には大切です。ここでは、ハイアットと東京ガス(運営会社)とジョン・モーフォード氏、そして丹下健三氏。われわれはつねに目的の共有をしています。そうすることで、すばらしいホテルが維持できるのです。

ホテル運営においては、不幸にしてそうはならないケースもあります。たとえば、オーナーが短期的な収益を求める一方で、運営会社が長期志向だったらうまくいきません。お客様がそうした異常を感じ取ってしまう場合すらあります。パークハイアット東京で働く関係者は幸せだと思います。

(撮影:今井康一)

 

筆者が手掛けた東洋経済オンラインのホテル連載が、電子書籍「1泊10万円でも泊まりたい ラグジュアリーホテル 至高の非日常」(小社刊)になりました。10万円以上するような部屋に泊まりたいと思わせるラグジュアリーホテルの魅力とはいったい何なのか。厳選9ホテルの総支配人たちが大いに語っています。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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