「家庭に浸り過ぎない」男性はやはり魅力的だ

結婚しようがしまいが、どちらも楽しい

康孝さんは大学を卒業した後、名古屋にある広告関連会社に就職した。朝8時半から終電まで働いて、土日も出勤することが多かった。それでも年収は300万円に届かない。実家暮らしなので生活に困ることはないが、康孝さんの疲れと焦りは募っていった。

「大企業に就職した彼女のほうがいい給料をもらっていました。その彼女が僕に愚痴った時、俺よりたくさん給料をもらっているのに甘えたことを言うなよ、と反発してしまっていたんです。黙って聞いてあげるべきだったのに……。稼ぎも悪くて優しくもない、結婚にも煮え切らない。フラれて当然の男ですよね。彼女の気持ちが僕からだんだん離れていくのを感じていました」

他人事ではまったくない。筆者を含めた多くの男性は、仕事の充実度と男性としての自信が直結している。仕事面での展望が見えない状況に陥ると、すべてにおいて精彩を欠き始め、怒りっぽくなったり卑屈になったりするのだ。モテようがない。

「アイ・アム・フリー!」と絶叫する瞬間

「別れた直後は落ち込みましたが、すぐに回復しました。やっと自由になれた、休みの日はすべて自分のために使える!という気持ちがフツフツと湧いてきたんです」

この感想にも共感してしまう。筆者は33歳のときに離婚を経験したが、別居して1カ月後ぐらいに湧き上がった解放感は今でも忘れられない。これからはすべて自由なのだ。久しぶりの一人暮らし。小さなアパートを借りた。ベッドの上で大の字になり、「アイ・アム・フリー!」と絶叫したことを覚えている。

人は皆、「気ままに一人で生きたい」という気持ちと「誰かと助け合い温め合いながら暮らしたい」という気持ち、2つの矛盾した思いを抱えている気がする。相性が良くないパートナーとの別れを経験すると、一抹の寂しさを感じると同時に前者の「アイ・アム・フリー」感に包まれるのである。

康孝さんは20代後半で転職をし、労働環境は大幅に改善した。それでも結婚には目が向かず、柔道を再開するなど充実した独身生活を送っていた。現在の妻である亜由美さん(仮名、38歳)との出会いは8年前、「人数合わせの合コン」だったと振り返る。

「世話好きの女友達に誘ってもらいました。妻とは正面に座って話したことを覚えているぐらいです」

お互いに連絡先を聞くこともなかった。しかし、人と人はどのようにつながるかわからない。3年後に幹事の友人から久しぶりに連絡があり、「亜由美のこと、覚えてる? もう1回あなたと会って食事がしたいらしい」と誘われた。

「宗教かネットワークビジネスの勧誘だろうと疑いました(笑)。でも、友だちから『絶対にそんなことはない』と強く言われたので、一度だけ会ってみることにしました」

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