なぜ日本野球はメジャーリーグに勝てないか

メジャーリーグに最も近かった男、佐々木誠の監督論

NTT西日本で監督を務める佐々木誠(写真中央)。なぜ彼はプロでなく社会人を選んだのか(写真:日刊スポーツ/アフロ)

日本の競争はぬるい

1990年代に「メジャーリーグに最も近い男」と言われた佐々木誠が、現在、プロ球団の誘いを断り、社会人野球での指導にこだわるのには明確な理由がある。

さかのぼること12年前の2001年。佐々木はアメリカの独立リーグで1年を過ごし、日米の差を痛感させられた。

「独立リーグで1年プレーし、日本のプロ野球で過ごした17年がバカみたいな、意味のない時間だったと感じた」

1983年にドラフト6位でプロ入りした佐々木は、南海、ダイエー(ともに現ソフトバンク)、西武、阪神で17年間プレーし、1992年に首位打者を獲得。ベストナインに6度選出されるなど、球界を代表する左打者になった。2000年限りで阪神を退団すると、翌年にはメジャーリーグの春季キャンプに参加する。紅白戦やオープン戦で結果を残したものの、ビザや35歳という年齢がネックになり、契約には至らなかった。そこで、独立リーグでプレーすることに決める。

「野球の原点を求めたかった。若い子やトライアウトに来ている選手は、本当に一生懸命やっている。日本がメジャーリーグに勝てない理由はそこにあると思う。独立リーグは夢をどうやって実現するかという点で、すごく厳しい世界だった」

日本でのプロ生活と異なり、独立リーグの環境は過酷だった。選手の受け取る月収は、わずか300ドルほど。長時間のバス移動は当たり前で、18時間バスに揺られた直後に試合をしたこともある。

「そんな環境でも野球をやりたい選手が契約して、苦労を続けるからメンタルが強くなる。日本の環境のぬるさをつくづく感じた。メジャーからマイナーリーグに落ちれば給料も下がるけど、日本では2軍に落ちても賃金は下がらないし、リリースもされない。これでは、日本の野球はメジャーに追い付かない」

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