「パートタイム社会貢献」という働き方 新世代リーダー Living in Peace代表 慎泰俊
仕事で培ったスキルや専門知識を、貧困の削除などの社会貢献に生かす。社会貢献活動で得た経験や人脈を、本業の仕事にフィードバックさせる。こうした好循環を生み出す新しい働き方に挑んでいるのが、NPO、Living in Peace代表の慎 泰俊氏だ。
慎氏は、プライベートエクイティファンドでの投資のプロとしての活動を本業とする傍ら、平日夜や休日を利用し、発展途上国向けのマイクロファイナンス機関に投資するファンドの運営、また児童養護施設の支援などに精力的に取り組んでいる。慎氏の活動は、仕事と社会貢献の両立に悩む人のみならず、これからの働き方を考える多くの日本人にとって参考になるはずだ。
LIPが生まれた経緯
社会人がパートタイムで社会貢献ができるNPO「Living in Peace(LIP)」の活動を始めたのは2007年のことです。活動の目的は「貧困の削減」。具体的には、発展途上国向けのマイクロファイナンスファンドのプロジェクトと、国内の児童養護施設向けの支援を活動の柱としています。
現在、メンバーは約60人。私自身はプライベート・エクイティファンドでの投資プロフェッショナルとしての仕事を本業としながらLIPの活動をパートタイムでしていますが、ほかのメンバーも、学生、会社員、専門職、コンサルタントなど、全員が何らかの本業を持ちながら、基本的には平日夜と土日をLIPの活動に充てています。
なぜ私が、金融を本業としながら、パートタイムという形態で社会貢献活動をしようと思ったのか。
そもそものきっかけは高校時代。「一緒に大学に行こう」と約束していた同級生が、金銭的な理由で進学を断念したのです。「貧困は嫌なものだ」「世の中を少しでも良くしたい」という気持ちは、そのとき生まれました。
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