「パートタイム社会貢献」という働き方 新世代リーダー Living in Peace代表 慎泰俊

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『貧困の終焉』には「極度の貧困を持続可能な形で終わらせるには、先進国にいる人々の所得の2.4%が必要だ」と書かれています。たった2.4%。そのくらいなら平日の夜と週末を使って活動する人が増えたら、すぐ達成できるのではないでしょうか。日本の稼働人口が1億人として、彼らが週に5時間ずつ、時給1000円で働いたとすると、1週間当たり5000億円分の事業が回せる計算になります。50週間続けたら25兆円です。パートタイムであっても、これだけのインパクトが残せるのです。

本業で給料以上の働きをしないと参加は認めない

こうした活動が本業に支障を来すこともあるのでは、とお考えの方もいるでしょう。しかし、少なくともLIPのメンバーのなかには、そういった懸念はありません。

LIPではメンバー全員に本業を優先してくださいと強く呼びかけています。

「人のために何かしよう」と考えるのは、本業のほうで給料以上の働きができるようになってからにするべきだというのが、私たちの基本方針です。パートタイムでの社会貢献のロールモデルをめざしている以上は、「本業がイケてない人がやっている」などと思われると世間の理解を得るのが難しくなってしまいます。

また、本業がきちんとできているということは、その人のスキルセットが世に役立つものである証しです。

そして、こうしたスキルセットは本来、ビジネスを通して鍛えられていくものです。ですから、まず大切なのは本業なのです。

本業にもたらされる好循環

パートタイムで社会貢献の活動をすることで、実は本業にも良い影響がもたらされます。

(1)時間管理能力の向上

パートタイムで社会貢献活動に参加する際、いちばんの悩みは、やはり時間的な制約です。しかし、時間をうまく使えないと本業も社会貢献活動も中途半端で終わりますから、限られた時間内に多くの作業をてきぱき効率的にこなす能力が嫌でも鍛えられます。平たく言えば、「仕事が早くなる」のです。つまり、時間的な制約があるからこそ、それをバネにして、仕事の基礎能力が底上げされるということです。

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