一方の母親業は、直近、長女の中学受験をサポートし、無事、望みの私立中学校に入れたばかりだが、次にはすぐ次女の受験、三女の小学校入学が待ち構える。
中山さんの“パズル”は、まだまだ、全体図が見えるまでに時間がかかりそうだ。だが、その絵が見えないからこそワクワクするし、面白い。
「たとえ困難な状況でも、その状況の中で、自分がやりたいことや目標を見つけてクリアするのが楽しい。だから、会社や家族や周囲に、ああしてほしいとか、こうしてほしいとか思ったことは、あんまりないんですよね」
所与の条件を受け入れ、ベストを尽くす――。
「言われてみれば当たり前」のようにも思えるこのことが、普通はなかなかできない。
中山さんは、3人の子育てという難業と、未知の領域で白紙から商売を興すことを同時に経験し、その領域にたどり着いたのだろう。
「いずれは海外赴任を経験し、最終的には関係会社の経営陣として、どっぷりつかって経営がやりたい」という目標がかなう日も、着々と近づいているように思えてならない。
未整備の荒野を開拓するような挑戦は過酷だ。しかし、困難を克服すれば、その後は、次々と可能性が開けてくる――。ワーキングマザーが開拓していない未開の地は、実はまだまだあるはずだ。そしてその荒野を開拓した経験は、確固たる自分の武器になり、会社にとって社会にとって希少な資源になるに違いない。
中山さんは、そんなことを考えさせてくれる。
(撮影:梅谷秀司)
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