一流大学に通う学生の大半が“放任教育”
アンケートに協力してくれた学生の9割が、家庭では放任教育か、自主性に任せてくれて、感謝しているというのです。そして多くの学生が、裕福でない家庭でも、勉強をするうえで金銭的には、親はおカネを惜しまなかったというものでした。
ほかにもいろいろ、興味深いことが読み取れる調査結果を得ましたが、まず、9割の学生が「放任主義で育った」と回答していることに、興味を持ちました。これをそのまま読み取っていいものでしょうか?
一流といわれる大学生が対象だったために、もともと自主性に任せて大丈夫だった子どもだったのかもしれません。自主性に任せて大学受験が不首尾だった子どもの声は、くみ上げられていませんし、教育ママや教育パパの過干渉のせいで失敗した子どもの声もここでは出てきません。
逆に、親の敷いたレールの上を走ったおかげで合格できたという回答も、わずかですがありましたし、「放任」と子どもが感じていても、親のほうが子どもにプレッシャーを与えないように、周到に「放任」と見せかけて厚いサポートをしていた事例も、散見できました。
子どもの個性に合わせたきめ細かい教育が要求される以上、今回の調査結果も、あくまでも参考の域を出ないわけですが、一流といわれる大学の合格者による飾らない体験談は、成功体験であり、当世受験生事情がよくわかり、私たち親世代が受けた教育環境では、やや時代遅れであることを訴えています。
“放任”といっても、“ほったらかし”とはわけが違う
でも、彼らのアンケートをよく読むと、「放任」と子が感じていても、それは塾選びを自分に任せてくれたとか、「勉強しろ」とやかましく言われなかった、というものが多かったのです。
やかましく言う必要がないほど、頑張っていた子どもたちなのです。塾にも行かず、ただ気ままに遊んでいて、一流校に入った学生さんは、もちろん皆無でした。
このコラムの結論ですが、賢い子息を育てた親は、子どもにただ、口先だけで「勉強せよ」と強要するのではなく、自主性が育つように「なぜ、勉強をせねばならないか?」「誰のために?」「何のために?」という目的と理由が、普段からその家庭環境の中に準備されていたのではないでしょうか?
逆に言えば、(例外はあるでしょうが)上記のような家庭教育をしてこなかった親子にかぎって、「勉強せよ」だの「過干渉」だのと、親子のバトルが繰り広げられているのではないでしょうか。
「放任教育でこんなに優秀な子が育つなら」と方向転換を考えておられる方はいらっしゃらないと思います。深い親子の絆と自立心・責任感を持たせる家庭教育が根幹にあるわけで、それらは決して「放任」して育まれるものではないですものね。
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