“放任教育”と“ほったらかし教育”の違い 一流大学出身者の家庭をアンケート調査

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ミセス・パンプキンによる家庭教育アンケート分析

ここに東大、京大、早慶生が主な対象となった100名以上の現役大学生による、あるアンケート調査表があります。どのような家庭教育を受けたか、その受けた教育への肯定面、反省点や親への注文点はいかなるものかなど、受験生を抱えた父兄にとってはとても参考になり、かつ興味深い調査結果を提示しているものです。

モンスターペアレンツが何かと話題を提供している昨今、調査結果は私には驚くべきものでした。以下に代表的なコメントを紹介させていただきます。

<以下アンケート結果>

1)東大大学院新領域創成科学研3年生:M君

「成長する環境は整えるが、努力を強制はしない」という教育方針が現在の私を作り上げたと考えます。周囲が優秀で努力を怠らない者ばかりならば、息子も彼らに感化されて優秀であろうと自発的に努力すると両親は考えていたようです。

両親は私を中高一貫の進学校に通わせましたが、私の成績が悪くても「もっと勉強をしろ」などと、言われることはありませんでした。しかし、友人たちが優秀であるのに自分は違うと実感した私は、彼らに追いつきたいと自発的に努力するようになりました。

2)早稲田大学Kさん

私の両親の教育方針は、「社会に反しない程度で、可能なかぎりの自主性を認める」というシンプルなものでした。今まで私がやりたいといってきたことに対しては、反対こそすれ、極力実現できるように配慮してくれました。

たとえば、高校受験で県外の高校を受けると決めたときや、大学受験に失敗して浪人のために上京すると決めたときなど、両親はそれらの実現のために一生懸命働いて資金を捻出してくれました。私はそのような両親の背中を見ているので、下手なことはできない、いつか恩返しをするぞ、という気になり、モチベーションにも火がついた思い出があります。

そういった両親の教育方針が有効だったかどうかはわかりませんが、私がもし親の立場に立つなら、やはり同じように子供を育てるのではないかと思います。

なぜなら、子供にも思いや夢があり、親はそれを最大限サポートして、自己実現を可能にする環境を作ってあげるのが仕事ではないかと思うからです。もし私が全国の父母の皆さんにアドバイスするとしたら、「子供の好きなようにさせてください。そのサポートをしてあげてください」と伝えるだろうと思います。

3)東大文学部3年生:I君

親の教育方針は子供に大いに影響すると考えています。 私の両親は共働きだったので、勉強は管理されず自主的に行いました。そのため、勉強が他人から押し付けられるものだという意識が育たなかったのだと思います。

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