ぜいたく禁止令で消費不振に陥った中国 共産党指導部による綱紀粛正の強化で広がる波紋

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今回の綱紀粛正とぜいたく禁止令により当然、外食や旅行産業が打撃を受けた。贈答用のギフト券販売が急激に落ち込んだため、大手百貨店が受けた影響も小さくない。江蘇省の地元百貨店の雄であるゴールデン・イーグル(金鷹・3308)は年初1月7日につけた20.4香港ドルから4月2日には13.10香港ドルまで急落した。一方、高級官僚の宴会の席の必需品である高級酒のマオタイ酒や五糧液の値段も急落した。マオタイ酒(500cc、52度)の価格は2012年1月の最高値1本2047元から今年3月には1621元まで急落、五糧液(500cc、52度)の値段も同じ期間に1本1213元から1018元まで下落した(表)。 

高級官僚の汚職の象徴とされた外国製の高級腕時計や高級アパレルブランド、輸入高級車の販売も落ち込んでいる。これらの有力銘柄や関連銘柄はいずれも株式市場で大きく値を消すことになった。

例えば、中国の主要都市でレクサスやホンダなど高級日本車やベンツなどの輸入販売を手掛ける中升控股(881)は2月21日高値の13.50香港ドルから4月3日には9.20香港ドルまで急落した。対日感情の悪化だけが原因でないことは、ライバルの正通汽車服務(1728)が1月23日高値7.48香港ドルから4月2日には4.45香港ドルまで値を下げたことから明白だ。正通汽車服務はランボルギーニやポルシェ、アウディ、ボルボなど欧州系高級車の輸入販売に特化している。

下げ幅だけを見れば、中升の32%に対して、より高級感の強い正通汽車は42%に達した。欧州製の高級時計の輸入専門店である東方表行集団(398)は1月16日高値3.28香港ドルから4月9日安値は2.06香港ドルまで暴落、下げ率は37%となった。

「魔女狩り」も流行

輸入高級車に関しては、習近平氏の側近であった高級官僚の子息が昨年末、北京でガールフレンドらとランボルギーニを暴走中に事故死したことも悪材料となった。結果、高級官僚本人が閑職に追い込まれるなど、事実上失脚したことが一般民衆にも知れ渡った。また、高級腕時計は中国のネット市民の間で、高級官僚の腕時計のブランドや価格を報道写真から割り出すような一種の魔女狩りが大流行。地方幹部が数十個保有していた外国製腕時計の資金源を追及されて失脚したり、中央政府の幹部の中にも数千万円相当の腕時計着用が発覚してもみ消しに奔走したりする事態などが散見される。

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