”軍事予算獲得”にひた走る、中国人民解放軍

尖閣「レーザー照射事件」の裏にあった意外な事実

日中「交流」がそれなりにあった時代も(海上自衛隊舞鶴基地を訪問した中国人民解放軍訪日団、2011年、日本雑誌協会代表撮影)

中国が3月5日発表した2013年の軍事予算は、前年実績比10.7%増の7406億元となり、すでに米国に次ぐ軍事大国となっている。予算規模はこの10年間で約3.9倍となり、日本やフィリピン、ベトナムなどASEANの一角を含めた周辺諸国に脅威を与え始めている。

また、中国の軍事予算は透明度が低いことでも有名。海外調達分や兵器開発費などが、予算に盛り込まれておらず、実際は公表された数値をはるかに上回るとみられている。海外の国々にとれば、中国が目的のはっきりしない性急な軍事大国化を進めているように見える。しかし、2014年以降の中国は、これまでとは異なり、明確な態度で軍事予算を拡大してくると思われる。

解放軍は、高度成長の中で冷や飯を食っていた!?

中国からすれば「過去10年の間、軍事費だけを急膨張させたわけではない」というのも事実ではある。2001年から2011年にかけて中国の実質GDPは、ほぼ10%成長を維持していた。インフレを含む名目GDPベースでは13~15%の成長であったため、中国の経済規模は、10年ほどで約3倍超になったのである。

したがって、中国が主張する「軍事費は対GDP比率ではほぼ横ばいで推移してきた」との論法はあながちウソではなかったわけだ。さらに、中国では国有企業が羽振りを利かせ、民間企業のシェアを奪う「国進民退」が進行。徴税強化と相まって国家の財政収支は同時期に15~20%近い伸びを持続して、空前の黒字を計上し続けた。そのため、軍関係者のなかでは、解放軍や関連ビジネスはむしろ冷や飯を食わされている、と言う意識すらあったと伝えられる。

次ページ解放軍の被害者意識がどう出るか…
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