水面下で広がる就活「学歴フィルター」の実態 大量応募への対処に大企業の半数以上が設定

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ここで、HR総研の企業調査の特徴を押さえておきたい。一般的に新聞社等が実施する調査は回答企業名の一覧が発表されたり、フリー記述式の回答では回答企業名まで紹介されたりすることもある。

それに対してHR総研の調査は、採用担当者(企業)にメールでアンケート協力を依頼し、企業名は一切公表しないという条件で回答してもらっている。そのため、採用担当者の本音に近い回答が得られやすい。今回のような「ターゲット大学を設定しているか」を問う調査を新聞社方式で実施した場合、ほとんどの企業が「(ターゲット大学は)設定していない」と回答してしまうだろう。

調査結果では「1001名以上(大企業)」の55%が「(ターゲット大学を)設定している」と回答している。社名非公開が前提でもオフィシャルな回答をする企業も存在する。それを加味すれば「(ターゲット大学を)設定している」大企業はさらに多く、設定していない大企業が少数派だということである。

学歴フィルター外からの応募はムダ?

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大企業の多くが「(ターゲット大学を)設定している」としても、ターゲット大学からしか採用しないということではない。あくまでも採用重点校として、学内企業セミナーに参加したり、特定大学だけのセミナーを開催したり、リクルーターを派遣したりすることに過ぎない。

ただし、次の点には注意してほしい。その企業の過去の採用実績校を確認してみよう。入社者全員の出身大学名が公表されていなければ、自分の大学のキャリアセンターへ行って過去5年間にその会社に入社した先輩がいるか聞くとよい。採用人数の規模が多い大企業で、過去5年間に1人も入社実績がないようであれば、望みは薄いと考えたほうが良い。それを覚悟したうえで応募をしたほうが良いだろう。

また、大企業だけに挑戦するのではなく、平行して中堅・中小企業にも早くから目を向けておく。中堅・中小企業は星の数ほどあり、どこから手を付けてよいか逆に迷ってしまう。お勧めしたいのは自分の大学の学内企業セミナーに参加している企業を狙うことだ。わざわざ大学にまで足を運んでくれているということは、「ターゲット大学」として考えているか、その大学の学生を積極的に採用したいと考えている証拠である。

大学名だけでESを選別してしまうような大企業(人気企業)ばかりに目を向ける就職活動にならないことを期待したい。

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