プロも顔負けの学生のファッションショー
3月15日、北京服装学院(Beijing Institute of Fashion Technology)の卒業作品発表イベントに招かれて行ってきました。学生たちの手になるショーは想像以上の出来栄えでした。デザイン専攻の学生が製作した服をファッションモデル専攻の学生が着こなして、コミュニケーション専攻の学生の演出により、学内の専用ホールの本格的ランウェイで展開される、プロも顔負けのショーでした(詳細はこちら)。
オープニングに登場するのはモノトーンのモードファッションに身を固め、高いヒールを履いてさっそうと歩を進める身長180㎝級の女子学生たち。ランウェイのサイドで後輩たちが応援しているのが学校らしい風景です。続いて登場の男子学生たちはステージ上で照れ笑いを浮かべていてやや「いけてない」感じです。
ポップなミニドレスをまとったモデルが軽やかなウォーキングを披露すると、合間にコミカルに登場したのが「アラレちゃん」(中国語では「阿拉蕾」)に扮した3人のモデルたち。これには苦笑させられましたが、勇ましく反日を叫ぶ中国の人々も、クレヨンしんちゃん(蜡笔小新)やドラえもん(多拉A梦)などのアニメキャラはすんなり受け入れています。ショーのフィナーレは40人のモデルが勢ぞろいして、北京市教育委員会の幹部をはじめとする来賓や教授、学生たちの大喝采を浴びました。
この学校は1959年開校で、現在は北京市の管轄下にあります。正確には「全日制普通高等学校」というカテゴリーに属しますが、高等教育機関という意味では実質的に大学と同格です。ちなみに、中国の高等教育機関には清華大学や北京大学などの4年制「本科大学」と3年制の「専科大学」があり、総数は2010年の統計で2358校です。さらに、職業学院と呼ばれる専門学校が含まれます。
北京服装学院は北京市内の北三環路、日中友好病院に隣接する一等地にキャンパスを構える在校生約7000名、教職員約800名という立派な学校で、コシノヒロコさんが名誉教授に名を連ねています。規模の大きさ、充実した設備と学生たちが発揮する実力の確かさは、ファッション産業振興を国策として、政府が直接学校の管理と支援を行っているからにほかなりません。
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