美容師テツさんに学ぶ中国でのブランド戦略

「小さいからできる」ブランド戦略とは

日本の製品は、高い品質を誇りながら、中国マーケットにうまく食い込めていない。その最大の理由は、ブランド戦略の甘さにある。このコラムでは、北京電通に7年駐在し、グローバル企業のブランド戦略のコンサルティングを手掛ける著者が、中国人の心をつかむためのブランド創りを解説。ビジネスの現場で起きている事実をベースに、実践的なブランド戦略を発信する。
東北出身のテツさんが北京に開業した美容室。中国人客で賑わっている

EXILE風の外見に朴訥なお国言葉

日本人スタイリストのテツさんが北京にやってきたのは2008年1月。青森県は八戸出身のテツさんは専門学校卒業後、銀座や渋谷の美容室で約10年間腕を磨いた後、中国に新天地を求めたのでした。当初は日系美容院で雇われスタイリストとして働いていましたが、2010年末に独立、北京市内の新源里地区(オフィス・商業地区に近い便利なエリア)に、小さいながらも自分のサロンを立ち上げました。

北京には日系の美容院が多数あります。どこも日本から引っ張ってきた日本人スタイリストが看板として頑張っています。開店直後は日本人をターゲットに事業展開しますが、日本人人口が数万人程度の北京エリアでは、中国人顧客をつかまないとビジネスが成り立ちません。

テツさんも最初の3年間で、日本人の常連客に加えて地元中国人のお客様からの支持を拡大し、独立にこぎ着けました。テツさんの顧客獲得のヒミツはズバリその人柄です。

長髪でファッショナブルないでたちに「原宿ゴローズ」のインディアンアクセサリーがよく似合うテツさんは、黙っていれば一見EXILE風のカッコいいお兄さんです。が、いったんしゃべり出すと印象はガラリと変わります。人なつっこい東北弁の、飾り気の一切ない会話を通して、お客様が彼の人柄に魅了されてしまうのです。そのしゃべりをこちらに来てから習得した中国語でやれるのがテツさんの強みです。

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