レアアース報道に潜むエネ庁と科技庁の温度差

南鳥島レアアース開発は30年かけても難しい(2)

カナダのPDAC(トロント鉱山見本市)にて。左から2番目が筆者

前回、南鳥島のレアアース資源の報道にからんで、「南鳥島のレアアース開発は30年かけても難しい」(記事はこちら)と書いたところ、大きな反響があった。科学技術庁傘下の海洋研究開発機構が、「日本最東端の南鳥島周辺で海底に堆積するレアアース(希土類)泥の本格調査に乗り出した」との報道に、「成果を出すのは難しい」と書いたわけだが、この話をもう少し深掘りしてみたい。

南鳥島報道をめぐる、各プレーヤーの構図

資源問題の本質は、開発の優先順位が最重要である。いくら南鳥島に中重希土類の有望な資源が眠っていても、30年も先の実現性に期待して、開発する必要はない。

実は、経済産業省傘下の資源エネルギー庁の専門家などは、いくら開発をしても「生き金」にはならないことは、はじめからわかっている。だが、科学技術庁傘下の海底資源調査については、権限範囲が違うため、口が出せないし、口を出さないだけである。

一方、科学技術庁傘下にある大学の研究者や、「偉い評論家先生」にとっては、学問的な意味合いにおいて、今回の南鳥島の案件などは格好の研究材料になる。研究の対象として認識することは当然である。だが、これに悪乗りして、あまり検証もせずに騒ぎ立てるメディアには「見識がなさすぎる」という意見が多い。さらに、政治家の先生などにいたっては、開発予算を期待して利権を取りたいのだろうから、とかく関与をしがちだ。「大学の研究者をあおって大騒ぎするのも仕事のうちだから、仕方がない」という冷めた見方もある。

次ページ結局、あぶり出されてきたのは縦割り行政の歪み
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