南鳥島レアアース開発は30年かけても難しい

「夢の海底資源」報道に覚える違和感

3月のカナダ・トロントの鉱山見本市。レアアースのブースには、まだヤマ師たちが集まっていた(筆者提供)

最近、南鳥島のレアアース資源の報道がかまびすしい。科学技術庁傘下の海洋研究開発機構(海洋機構、横須賀市)が日本最東端の南鳥島周辺で、海底に堆積するレアアース(希土類)泥の本格調査に乗り出した、との報道である。本州から約1800キロ離れている南鳥島で、水深5000メートル以上の深海底からレアアース泥の分布範囲や埋蔵量の調査を深海調査船「かいれい」で行うというものだが、私の知る限り、成果が出るのは30年以上かかると考えている。

いまさら南鳥島の海底資源が「ブーム」になる不思議

調査船によると、南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)には、ハイブリッド車に使われるディスプロシウムなどの有用なレアアースが国内消費量の230年分埋まっていると推定しているらしい。だが、なにも水深5000メートルの海底に探しに行かなくてもオーストラリアやカナダには、ゼノタイム鉱石中のディスプロシウムはいくらでもある。

日本近海には、海底から噴出する熱水の金属成分が沈殿してできた海底熱水鉱床の存在はずっと昔からわかっていることで、何も最近になって発見されたことではない。問題は採取コストが高く実現性が少ないことなのだ。確かに日本は領海とEEZを合わせると世界6位の海洋大国だが、海洋資源が効率よく探査できて、採取する技術開発が実行できれば結構な話だが、まず無理な話であることは昔からわかり切っている。

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