南鳥島レアアース開発は30年かけても難しい 「夢の海底資源」報道に覚える違和感

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レアアースはレアではない。需要がレアなだけ

元々、レアアース資源がレアでもなんでもないことは、業界の人間なら誰でも知っている話だ。地球上の資源の中で単体の銅や亜鉛や鉛よりもレアアースの方が資源量はずっと多いのである。信じられないかもしれないが、地球に存在する単一元素の資源量(クラーク係数)ではレアアースが希少金属だと考える地質学者は何処にもいない。そんな学者が居たらそれこそ、その学者の方が希少(レア)である。

ただし、レアアース資源が遍在しているので、開発にリスクがあるだけだ。レアアースは「産業のビタミン」である。だから世界市場は12万トンしかない。銅の140分の1でアルミの340分の1、貴金属に近いニッケルと比べても10分の1の市場に過ぎない。レアアースは元々ガラスの添加剤か、ライターの火打石くらいしか用途がなかったが日本などの用途開発で、その新たな機能を発見して自動車産業や電子産業に利用されるようになったのだ。かりにレアアースの需要が増加して現在の2倍になったところで、資源が不足する可能性はないと予想する。

逆に今回の一連の事件の影響からレアアース市場への原料供給が増えすぎ、2度とレアアース市場の国際価格が上昇することはないという見方も出てきている。

中国も尖閣事件で頭に血が上って、レアアース市場の世界支配をするなどという非合理的なことを考えないほうがよい。それより、日本の用途開発技術を味方にしながらレアアース産業の発展に寄与した方がよほど、中国の経済発展に役立つと思う。一方、日本も時間のかかる海底資源開発よりも、高い技術革新を通じて、中国と協力をするほうが、よほど国益に資すると思うがどうだろうか?

次回は、レアアース問題と日中問題をさらに掘り下げたいと思う。

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