メタンハイドレート、日本海側でも本格調査へ 期待の国産エネルギー資源、課題は生産コスト低減
日本の周辺海域に埋蔵される「メタンハイドレート」。天然ガスの主成分である「メタン」を含む氷状の水和物で、「燃える氷」とも称される。3月12日に日本政府が太平洋側で世界初の試験生産に成功したことから、国産の次世代エネルギー資源として一段と期待が高まっている。
その実用化に向けて、日本政府がもう一段アクセルを踏み込む。資源エネルギー庁は2013年度から日本海側でメタンハイドレートの分布調査を本格的に実施する。13年度の政府予算では約10億円を投じる予定だ。
太平洋側では世界初の試験生産に成功
すでに太平洋側では01年以降、愛知・三重県沖の東部南海トラフ海域をモデル海域として調査を実施しており(タイトル下写真は海洋産出試験の様子)、先週3月12日には世界で初めて海底からのメタンハイドレート試験生産に成功した。13年度からは東部南海トラフ海域における生産実験、生産技術開発と並行して、日本海側でまず資源量の調査を開始する。
東部南海トラフ海域のメタンハイドレートは、水深1000メートル程度の海底面から数百メートル下にある地層中に、砂と混じり合って存在する「砂層型」。対して日本海側で存在が確認されているメタンハイドレートは、水深500メートル以上の海底の表面に一部が露出し、塊の状態で存在する「表層型」だ。
国はこれまで、石油・天然ガス開発の既存技術をベースとした技術開発が可能と思われる砂層型の研究開発を優先的に実施し、今年度まで累計588億円の政府予算を投入。18年度をメドに「商業化に向けた技術の整備」を目標としている。
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