メタンハイドレート、日本海側でも本格調査へ

期待の国産エネルギー資源、課題は生産コスト低減

一方、日本海側については一部の学者らが独自に調査を続けてきたが、政府による本格的な調査は後回しにされていた。しかし、昨年9月に日本海沿岸の10府県が「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」を設立し、国に広範囲の調査を求めていた。来年度からはこれまでの一部地域における学術的調査から一歩踏み出し、開発に向けた本格的な調査が始まることになる。

当面3年程度で資源量把握に向けた取り組みを集中的に実施。同時に、調査データの分析を踏まえ、表層型メタンハイドレートの試掘も実施する予定だ。調査は国の委託を受けて、独立行政法人産業技術総合研究所と学者のチームによって行われる。調査予定海域については地元との漁業権などを巡る調整もあって未定だが、これまでメタンハイドレートの存在が確認されている佐渡沖や能登半島沖、秋田・山形沖、隠岐周辺などが対象となる見込み。オホーツク海の北海道網走沖も候補に入る。

東部南海トラフ海域の試験生産では、地層内の圧力を下げることによって、メタンハイドレートをメタンガスと水に分解して回収する手法(減圧法)が使われている。一方、日本海側の表層型においては、鉄鋼製の容器(チャンバー)を海底面下に降ろし、メタンハイドレートを水流で砕き、メタンガスを吸い上げる手法が試される見通しだ。

日本近海全体で約100年分の天然ガス

東部南海トラフ海域にしろ、日本海側にしろ、メタンハイドレートの商業生産に向けての最大の課題は、採掘コストの低減と長期安定生産に向けた技術革新である。

東部南海トラフ海域における事業主体である独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、同海域における天然ガス(メタン)の資源量は1兆1415億立方メートルと推定され、日本のLNG(液化天然ガス)輸入量の約11年分に当たる。日本近海全体では約100年分の天然ガスが存在するとも推定される(1996年の産業技術総合研究所の推定)。

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