レアメタル、レアアース問題にはウソが多すぎる

ハイブリッド車や電気自動車が環境に優しい、というのは思い込み

レアアースの今後について、中国の要人と話す著者(右)

前々回や前回のコラムでは、南鳥島のレアアース開発において30年以上かかるという話題から入って、関連問題を深く追求した。今回はレアメタルやレアアースの資源問題や技術開発に関する誤解・曲解・思い込みについて書いてみたい。

レアアース需要増加と、環境負荷増大のパラドックス

ハイブリッド車(HV)は環境に優しい次世代車のはずだが、実はそのレアアース資源が環境問題の負荷を増大させているという話題から入りたい。
低カーボン社会を実現するためのHVにとって、レアアースは不可欠な材料だ。高性能モータや発電機の磁石には、永久磁石としては最強力とされるネオジム磁石を使用し、その高い磁束密度と強い磁力を生かして、モータや発電機の高出力化と軽量化とコンパクト化が進んでいる。ネオジム磁石は180℃以上の高温になると磁力が低下する現象が生じるので、耐熱性を良くするためにジスプロシウムが不可欠である。

またHV用のNi-MH水素電池にも、石油精製触媒に不可欠な流動接触分解(FCC)触媒にも大量のレアアースが必要だ。つまり地球温暖化を抑制するにはレアアースの開発は必要だが皮肉なことに、そのレアアース資源を開発するためには多くのエネルギーが消費されて二酸化炭素を大量に発生させる。つまり、レアアース産業は人類の利便性と環境負荷とのパラドックスに悩むという運命にある。つまりHVが環境に優しいというのは「単なる思い込み」である。

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