
万引きは若者から老人のものへ?

常見 陽平(以下、常見):去年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に『下流老人』(著者は藤田孝典氏 朝日新書)がノミネートされるなど、老人の貧困が問題になっています。万引きGメンである伊東さんの『万引き老人』は、老人の貧困と孤独の一側面を切り取った本だと思います。万引きは「不良少年の犯行」というイメージだったので非常に驚きました。
伊東 ゆう(以下、伊東):ありがとうございます。アベノミクスで確かに景気が良くなったのかもしれませんが、一方でそこからこぼれ落ち、万引きをしている老人がたくさんいます。事実を知ってもらいたいと、この本を書きました。
僕が万引きGメンを始めた頃、万引きの主流は未成年でした。しかし、現在は高齢者の万引きが増えている状態です。検挙人数は5倍近くに増えています。知らない方からすると、「え? 老人が万引きするの?」と非常に驚かれます。

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