中国の若者が普通の「日本料理」に夢中なワケ グルメドラマ・映画の影響力は想像以上だ
日本料理は、見る料理と言われ、高い「顔値」を持っている。食器の多さと盛り付けの精緻さに感服した外国人観光客が少なくない。季節に合わせる食器、鮮やかな食材、歳月が経過したカウンター……これらが写真映えのする料理だといえるであろう。
日本のドラマを見たことがない人も、きれいで美味しそうな写真を見ると自然に「いいね!」と押したり、日本に行ったなら友人が絶賛した銀座のうなぎ屋に行ってみようと思うようになる。本当の日料を食べたなら、写真を掲載し褒めてもらいたいと思う。つまり、日本料理は美味しさの「見える化」ができるので、中国のSNS情報拡散に適している。
若者が求めている価値観と一致した文化体験ができ、SNSの情報拡散に適した高い顔値を持つ日本料理は多くの中国の若者を魅了している。一時的なブームではなく、長期的に日本経済や日本社会に影響を与える現象であるインバウンドで、飲食業は不可欠で、今後の対応もますます重要になっていく。特に訪日中国人の若者に対しては、英語メニューの設置や中国語での紹介だけでは足りない。
異文化理解を深め内気な対応をしないで
彼らが求めているのは、日本で食事を摂ることを通して自分が共感している文化を体験することである。そして、それをきれいに(顔値を高く)して拡散することである。したがって、この体験を良くさせることが、持続的な成長につながる重要なポイントだ。
日本での体験を良くさせる、つまり日本の誇る「おもてなし」精神をもっとも具体化できるのは、食事だろう。しかし、飲食業界において、内気な対応が見られる。外国人だとわかった段階で予約を拒絶したり、外国人観光客の予約を受け付けなかったり、店舗の前で外国人観光客の入店を断ったりするケースが散見される。
マナーがわからない、ドタキャンされたら困る、外国語をしゃべると日本人のお客様に迷惑……と不安があるかもしれないが、こちらから積極的に食事マナー・文化の情報発信、外国のクレジットカード習慣に合わせた予約・決済サービスの検討、もっと言うと、上述のような、なぜ中国人は日本料理が好きなのか、なぜ写真をたくさん撮っているかなどの異文化への理解を進化させれば、きっとすばらしいビジネスチャンスになるのではないだろうか。
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