うどんミュージアムやナポリスなどの活用事例が、初心者の中小事業者にも共有される。中小事業者向けO2O市場はこうして拡大しつつある。
スーパーの特売配信にぴったり
LINE@は飲食店だけにとどまらず、幅広い業態に展開されている。
「LINEでのメッセージ配信は、おそらく業態にかかわらず、効果があるのでは。一見、非常に高価な商品や購買頻度が少ないものなどにはあまり適さないように思えるが、公式アカウントでは旅行会社、自動車販売会社などからもよい評価をいただいている」(出澤氏)
中でも、特に需要が高いのがスーパー業界だという。出澤氏は次のように話す。
「スーパーは、おそらくいちばん適しているのでは。特売のチラシを画像で送ればいい。チラシ画像は拡大できるので、消費者にとっても見るのに苦にならない。そもそも、毎日チラシを出している業界なので、非常にポテンシャルが高い領域だ。夕方のタイムセールや賞味期限が近い商品の特売など、必要に応じてリアルタイムに配信でき、非常に使い勝手がいいはず」
LINE@は、今のところ、利用者からも導入店舗からも好評を得ている。もちろん、今後はうまく活用できる企業や店舗ばかりではないだろう。
利用者にしてみれば、親しい友だちとのコミュニケーションの場であるLINEに、次から次へと企業や店舗からのメッセージが届いては気分がよくない。利用者が友だち登録をする企業や店舗のアカウントの数には限りがある。全国展開が始まり、企業アカウント数が増えていくことへの心配はないのか。
「企業数の増加が利用者にとってネガティブに働くという意見と、選択肢が広がり利用者がもっと喜ぶというポジティブな意見の2つがある。われわれは後者だと考える。利用者は簡単にメッセージをブロックできるし、好きじゃないとそもそも登録しない。利用者にとって心地のいい場は、利用者の選択で自然に作られる。結果、LINE@はより活性化していくと思う」と、出澤氏は企業数が増えるメリットを強調する。
LINEは、消費者と全国の中小事業者をつなぐO2Oのインフラとなりうるのか。中小企業が成功体験を共有し、LINEが日々サービスを改善する。市場拡大の鍵は、そこにある。
(撮影:梅谷秀司)
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