DMの場合、100人に送れば印刷代や郵送代など含めて数万円程度かかるだろう。LINE@なら、5000円で送り放題。しかも、なかなか見てもらえないDMとは違い、LINEのメッセージは高い確率で開封される。
若年層を中心に新聞や雑誌離れが進んでいる。紙のチラシを使っても、消費者が新聞をとっていなければ話にならない。LINEは、紙媒体の衰退で失われつつある需要を取り込もうとしているのだ。
ほかのソーシャルメディアと比べて運用負荷が小さいというのも、大きな差別化のひとつだという。
たとえば、フェイスブックでは、店頭での接客と同じように、毎日の地道な投稿が求められる。フェイスブックページを始めたものの何を投稿すべきか、毎日頭を悩ませている企業や店舗も多いのではないだろうか。フェイスブックは、企業や店舗が消費者と長期にわたる良好な関係を築いていくのに適した媒体だ。それゆえ効果が出てくるのにも時間がかかる。
「LINEは効果が出るのが早い。メッセージの配信もアルバイトの人でも簡単にできる。配信頻度が最大週1回までとわれわれは言っているが、逆に言えば、週1回でいいということ。
内容も利用者にとってメリットがあるもの、と考えると、頑張って面白いものをつぶやかなくてはというプレッシャーもない。メニュー情報、特売情報などを送ればいい。テキストの量も非常に少なくていい」(出澤氏)。
ついにLINE@コンサルまで登場
LINE社内には、LINE@専属のサポートのチームがある。基本的には顧客企業とはメールでの対応だが、電話サポート部隊も設置し、企業や店舗から寄せられる相談に応じている。毎日更新しているLINE@専用のブログでも、店舗や企業に取材をし、直接話を聞いているという。
LINE@の導入企業からは、日々要望が舞い込む。店舗のオリジナルスタンプを利用したいという声が圧倒的に多いという。中でもいちばん多い要望は、店舗と顧客の双方向のコミュニケーションがとれる機能と、予約機能。この2つはすでに導入予定で、現在準備中だという。
LINEは2013年2月、2時間の「LINE@ビジネスセミナー」を開催した。飲食、小売、アパレル、美容、ホテル、旅館などの店舗の運営者、自治体のPR担当者など約150名が集まった。
反響が大きかったため、3月も追加開催した。今後は、全国的に、ビジネスセミナーを定期的に開催し、店舗から感想や要望などを聞いていく予定だ。
ビジネスセミナーで、LINE@の先進的な成功事例の代表として紹介されているのが、窯焼きのマルゲリータピザを350円で提供する店舗「Napoli’s PIZZA&CAFFÉ(ナポリス)」。
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