2タップの簡単操作で差別化を図る
企業や店舗がLINE@に申し込むと、掲載基準審査の後、5~10営業日後にアカウントを開設できる。開設後、LINE@のIDとQRコードが印刷されたPOPやテーブルに立てる三角POPがもらえる。それを店舗のレジ横に貼ったり、メニュー脇に置いたりして来店客にアピールする。
来店客が、POP上のQRコードをスマートフォンで撮影すると、友だち追加ボタンが表示される仕組み。ボタンをタップすれば登録完了だ。登録した顧客には“ビール1杯無料”などと呼びかける店舗も多い。
ブログやソーシャルメディアで効果的に告知をして友だちを集めている店舗もある。ネット上や店頭で声掛けをするなど、自力で友だちを集めることが多い。
「メールアドレスの登録、Twitterのフォロー、フェイスブックの“いいね!”をしてもらうより、断然ハードルは低い。LINE@なら2タップの操作で登録できる」とLINE株式会社の出澤剛取締役は話す。
さらにLINE@の導入店舗の情報を掲載するポータルサイト「LINE@ナビ」もある。利用者は、サイトを閲覧して、興味・関心のある店舗を選び、友だち登録ができる。キーワード検索でも店舗を探せる。
今後は、地域や業種などのカテゴリ別に店舗を探すことができるようになる。LINE@ナビサイトから、まったく新しい顧客を呼び込める可能性もある。
新聞折り込み、フェイスブックにない利点
昨年秋に発売した拙著『O2O新・消費革命』では、消費行動の変化を再認識したリアル店舗側からの反響が大きかった。ただ、彼らの多くはネットを苦手としているのも事実。
出澤氏は、店舗の人が使うメッセージ配信用の管理画面をスマートフォン上で見せながら次のように話す。
「LINEで友だちにメッセージを送るのとまったく同じ要領で、顧客にもメッセージ配信ができる。LINEが使えれば問題ない。企業用なので、配信前に確認メッセージが出て、OKならばメッセージが配信される」
つまり、スマートフォンから簡単にメッセージが配信できるのだ。
「ネットを使いこなせることよりも、むしろ配信内容や友だちを集める工夫のほうがポイントとなる。そこは、商売をしているほうがよりわかっている部分ではないか。
他のネットのツールと違い、紙のチラシやDMをやる感覚でできる。DMで、“ビール1杯無料”、“3周年セールで10%OFF”などと書くことの置き換えと考えればわかりやすい」と出澤氏は話す。
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