LINE、実は営業赤字 投資負担先行でも、存在感示す
今年1月に世界でユーザー1億人を突破した、無料通話・メールアプリ「LINE」。そのLINEを運営するNHNジャパンは4月1日、社名を「LINE株式会社」に変更した。同時に会社分割を行い、新設会社のNHNジャパンが、旧NHNジャパンのゲーム事業を承継した。
これまでLINEはNHNジャパンの一事業との位置づけだったが、今回の社名変更によって、名実ともにLINEに特化した運営形態となる。新生NHNジャパンは、パソコン向けオンラインゲームが主体の「ハンゲーム」のみならず、今後は海外を含めた独自ブランドのスマートフォン向けゲームの展開を強化する。
今、インターネット業界で最も高い注目を集めるLINE。運営元の旧NHNジャパンは未上場企業のため、証券取引所が定める決算情報の開示義務がない。しかし、社名変更と会社分割を行った同じ日に、国が発行する機関紙としての役割を担う「官報」で、前年度(2012年12月期)の貸借対照表と損益計算書が掲載された。その内容を見てみよう。
「投資フェーズ」で営業赤字に
12年12月期の売上高は259億円と、前期比1.7倍に伸長した。この規模は上場するネット企業と比較した場合、飲食店情報サイトのぐるなびや、「ニコニコ動画」のドワンゴなどに匹敵する。
一方で、営業損益は7億円の損失と、前期の営業黒字3.6億円から一転して赤字となった。LINEを統括するLINE株式会社の舛田淳執行役員は昨年末、東洋経済の取材に対して、「われわれは今、売り上げ至上主義ではなく、まだまだサービスを伸ばしていく投資フェーズ」と語っていた(関連記事LINEと組みたい企業、99%はお断り)。LINEの成長に伴う人員やサーバー代のコストを先行させたことが、営業赤字に転落した要因と見られる。
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