スクエニ、「ドラクエ」「FF」頼みの限界 和田社長退任でも、拭えぬ不安
実力社長のあっけない“幕切れ”である。
「ファイナルファンタジー(FF)」や「ドラゴンクエスト(ドラクエ)」など、絶対的な人気タイトルを有するゲームソフトメーカー大手、スクウェア・エニックス・ホールディングスが、曲がり角を迎えている。
合併後、初の営業赤字に転落
スクエニは3月26日、今年度(2013年3月期)見通しを下方修正するとともに、経営体制の刷新を発表した。今年度は営業赤字60億円、最終赤字130億円で着地する見通しだ。営業赤字は03年に旧エニックスと旧スクウェアが合併して以来、初めて。2期ぶりに計上する最終赤字は過去最大規模となる。
深刻な経営不振を受け、スクエニは経営陣を刷新する。スクウェア時代から数えて11年以上トップに君臨した和田洋一社長が6月の株主総会後に退任。後任には経理財務担当代表取締役の松田洋祐氏が就く。
新体制移行後の取締役候補として確定しているのは、現時点で松田新社長と欧州拠点の責任者であるフィル・ロジャース氏のみ。03年から代表取締役副社長を務める本多圭司氏(元エニックス社長)を含め、残る4人の取締役は再任されない可能性がある。
「色々手を打ちやることはやってきたつもりだが、10年以降の業績が一向にさえない。私の力が及ばずということで、こういうことになっている」。同日、東新宿の本社で開かれた会見で、和田氏はこう述べた。松田新社長を後任に指名した理由については、「(スクウェア時代から在籍しており)新しい人間ではないが、抜本的改革ができる。筋を通すことができ、決断力がある」と説明。今回の経営体制刷新は「(筆頭株主兼名誉会長である)福嶋康博氏の意向ではない」(和田氏)としている。
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