『パズドラ』が変える ゲーム業界の勢力図 グリー、DeNAに頼らない大ヒット作品が登場

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ソーシャルゲーム業界に新たな成長株が登場した。ガンホー・オンライン・エンターテイメントが手掛ける『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』だ。

2012年2月に提供を開始し、わずか1年で国内の累計ダウンロード900万を達成。12年12月には、グーグルプレイなどスマートフォンのアプリ販売サイトで売り上げランキング世界1位を獲得した。

パズドラのヒットにより、ガンホーの業績は猛烈な勢いで拡大している。12年12月期は売上高258億円(前期比2.7倍)、営業利益92億円(同7.9倍)となり、1月の売上高も前年同月比11倍の85億円と絶好調だ。ガンホーはもともとパソコン向けオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』が主力だったが、今や収益の大半をパズドラに依存している。

株価も急騰している(下図)。3カ月で5倍になり、2月18日にはソーシャルゲーム大手、グリーの時価総額を上回った(2月21日時点の時価総額は2975億円)。近年、ソーシャルゲームで主流となっていたのは、無料をうたいながらも、実際は有料のアイテム購入なしでは楽しめないもの。それらの多くは、アイテム獲得に射幸性の高いガチャ(電子くじ)を採用し、収益源としている。課金額が高額になることが社会問題にもなった。

一方、パズドラもアイテムを購入すればゲームを進めやすくなるが、無料プレイでも十分に楽しめる。かつ、ガチャ重視のゲームに比べて、パズルゲームとモンスターバトルを組み合わせた面白さが、ユーザーを引き寄せた。結果として課金収入も拡大している。

森下一喜社長兼CEOは「従来のガチャに依存するソーシャルゲームと違い、純粋にゲームとして楽しめる作品を追求した。課金単価を引き上げるのではなく、無料でも多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。

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