スクエニ、「ドラクエ」「FF」頼みの限界 和田社長退任でも、拭えぬ不安

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コスト削減や不採算部門の整理などには手腕を発揮できそうだが、何か新しいものを生み出すという観点でみると未知数だ。報道陣や証券アナリストの質問には、「クリエイティビティと利益を両立する会社にする。(資本・業務提携について)全てのオプションが考えられる。具体的なプランについては(5月の)決算説明会で話したい」と述べている。松田氏の役割は、外部企業との連携を見据えたリストラ担当の色づけが濃いようにも見える。

「実態はあまり変わらない」との声も

一方、和田氏の今後の処遇も判然としない。和田氏は「ホールディングスからは完全に退く、経営には全く口を出さない」としながら、「次の分野も含めて、社員として別の形でお手伝いをする。通常の雑巾がけからきっちりと働いて、お返しする」と話している。新興国の開拓とネット対応の業務を担当すると見られるが、スクエニ関係者からは「新体制になっても実態はあまり変わらないのでは」との声も聞こえてくる。

「非常にひどい決算になり、株主の皆さまにご心配、ご迷惑をおかけした」。会見の冒頭、和田氏はため息混じりに発した。しかし、今、スクエニに求められているのは、株主よりも先にユーザーの声に耳を傾けることだろう。「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」。企業理念を具現化できるかどうかが、再生のカギとなる。

(撮影:尾形 文繁)

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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