LINE、実は営業赤字 投資負担先行でも、存在感示す
旧NHNジャパンは12年1月に子会社のネイバージャパンとライブドアを経営統合した。前年度は経営統合に伴う株式消滅処理の特別損失が生じたことから、最終損益は2期連続の赤字だった。そのため、貸借対照表の純資産の部における「利益剰余金」は53億円のマイナスとなっているが、昨年5月に韓国親会社のNHNコーポレーションを引受先とした第三者割当増資を行っていることから資本金は厚く、純資産合計では199億円のプラスとなっている。
つまり、企業の安定性を示す自己資本比率(総資本に占める純資産の割合)は65%と、健全な状態を維持している。財務の健全性を計るデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、負債資本倍率)も0.54倍と、無理な成長を行っていないことがわかる。
※ 記事初出時、「経営統合したライブドア(10年5月買収)がかつて行っていたような財務レバレッジ(負債の活用度)を過度に高めた」と記述しておりましたが、事実と異なっておりました。お詫びして削除いたします。
インフラとしてのLINEを重視
官報だけでは、前年度の事業別売り上げはわからない。ただ、NHNコーポレーションが2月に公表した決算資料では、日本法人のLINEを含むウェブサービス事業の売り上げ比率は第4四半期(12年10~12月期)に31%まで拡大し、同年度第1四半期(12年1~3月期)に比べ、倍増している。その分、オンラインゲーム事業の売り上げ比率が低下しており、LINEの存在が日本法人にとっての成長エンジンになっていることがわかる。
同じくNHNコーポレーションの決算発表では、LINE単体の第4四半期売上高が、円ベースで41億円だったことが現地メディアなどで報じられている。旧NHNジャパンは、昨年7月のLINEのプラットフォーム化に関する記者会見で、5~6月の2カ月間で有料のスタンプ(大型サイズの絵文字)の販売実績が3.5億円だったことを発表して以来、売り上げを公開していないが、その後も順調に売り上げ規模を拡大しているようだ。
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